副業のインボイス登録は義務ではありません。ただし2026年9月30日に期限が2つ来ます

「副業でもインボイス登録は要りますか」。よく聞かれる質問です。

結論から書くと、義務ではありません。ただし、2026年9月30日に2つの期限が同時に来ます

そして、その先に新しい制度ができています。令和8年度の税制改正で創設されたばかりで、まだあまり書かれていません。順に整理します。

この記事は制度の説明です。個別の判断は税理士におたずねください。最後に確認した出典を載せています。


目次

まず、登録は義務ではありません

消費税には「事業者免税点制度」があります。国税庁の説明を引きます。

「事業者免税点制度」とは、基準期間における課税売上高が1千万円以下であることにより事業者の納税義務が免除される制度のことをいいます(消法9①)。これにより、納税義務が免除される事業者を免税事業者といいます。

国税庁「2割特例の概要」2026年8月26日確認

基準期間は2年前です。個人なら、令和9年分の判定は令和7年の課税売上高で見ます。

副業の売上が1,000万円以下なら免税事業者です。インボイス発行事業者の登録は申請制で、しなければならないという定めはありません

ただし登録すると課税事業者になります。免税のままではいられません。ここが判断の分かれ目です。


【2026年9月30日】期限が2つ、同時に来ます

① 2割特例が終わります

免税事業者からインボイス発行事業者になった人は、納める消費税を売上税額の2割にできる特例があります。

適用できる期間は、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間です。

個人事業者の課税期間は1月1日から12月31日です。令和8年9月30日は令和8年の課税期間に入っています。つまり令和8年分(2026年分)が最後です。

② 免税事業者から仕入れたときの控除が、80%から50%に下がります

これは登録していない側に効きます。

取引先が免税事業者から仕入れた場合、本来なら仕入税額控除はできません。ただし経過措置で、一定割合を控除できます。

期間控除できる割合
令和5年10月1日 〜 令和8年9月30日80%
令和8年10月1日 〜 令和11年9月30日50%

2026年10月1日から、取引先の負担が増えます。登録していない人に「登録してほしい」と言われる可能性が、ここで一段上がります。

2つとも同じ日が区切りです。ここは押さえておいてください。


でも、終わりではありません。3割特例ができました

令和8年度の税制改正で創設されたものです。国税庁の案内から引きます。

インボイス発行事業者の登録を受けたことにより免税事業者から課税事業者となった方は、令和9年分・令和10年分の消費税の確定申告において、納付税額を売上税額の3割とすることができる

国税庁「令和8年度税制改正特集(インボイス)」2026年8月26日確認

条件は2つです。

  1. 基準期間(適用を受ける年の2年前)の課税売上高が1,000万円以下であること
  2. インボイス発行事業者の登録を受けていること

令和9年分なら令和7年、令和10年分なら令和8年が基準期間です。

個人事業者のタイムライン

申告する年分使える特例納める消費税
〜令和8年分(2026年分)2割特例売上税額の20%
令和9年分・令和10年分(2027・2028年分)3割特例売上税額の30%
令和11年分(2029年分)〜原則どおり一般課税または簡易課税

負担は一度に戻りません。2割 → 3割 → 原則と段階的に上がります。


登録するかどうかの決め方

判断のもとは1つだけです。取引先が、あなたのインボイスを必要としているか

取引先インボイスが要るか登録の必要度
課税事業者の法人・個人必要とすることが多い高い
免税事業者仕入税額控除をしないので不要低い
一般消費者不要低い

副業でよくあるのは、報酬の支払元が法人というパターンです。この場合は先方に確認するのがいちばん早いです。

ASPやクライアントごとに扱いが違います。わたしはまだ各社の案内を確認していません。ここは自分の取引先に直接聞いてください。

登録すると免税ではいられなくなります。売上が小さいうちは、納税額と手間が増えるだけになることもあります。取引先が必要としていないなら、急いで登録する理由はありません。


登録した場合にやること

3割特例が使えるか確認する

令和9年分・令和10年分が対象です。基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることが条件です。

2割特例・3割特例には事前の届出が要りません

確定申告書に適用を受ける旨を付記するだけです。課税期間ごとに使うかどうかを選べます。

その先は簡易課税を検討する

2割特例・3割特例の適用を受けた翌課税期間に簡易課税を使いたい場合、届出書は「適用を受けようとする課税期間の申告期限まで」に出せば間に合う扱いがあります。前年末までではありません。

経費の話は副業の経費、家賃は何割まで入れていいのか、開業届と青色申告は「開業届は1か月以内」は、いまの国税庁の案内と違いました、20万円の判定は副業の確定申告、20万円を売上で数えていませんか?に書いています。


よくある質問

副業でもインボイス登録は義務ですか?

義務ではありません。登録は申請制です。基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら免税事業者のままでいられます。ただし登録すると課税事業者になります。

2割特例はいつまで使えますか?

令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間です。個人事業者なら令和8年分(2026年分)が最後になります。

2割特例が終わったらどうなりますか?

令和9年分と令和10年分については3割特例が使えます。納付税額を売上税額の3割にできます。基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることが条件です。

特例を使うのに届出は要りますか?

2割特例も3割特例も事前の届出は不要です。確定申告書に適用を受ける旨を付記します。課税期間ごとに使うかどうかを判断できます。

登録しないと取引を切られますか?

取引先の判断によります。免税事業者からの仕入れには経過措置があり、2026年9月30日までは80%、その後は50%が控除できます。相手の負担は増えますが、ゼロになるわけではありません。

売上が少なくても登録したほうがいいですか?

登録すると消費税の申告と納税が発生します。取引先が必要としていないなら、急ぐ理由はありません。


まとめ

  • インボイス登録は義務ではない。申請制
  • 基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円以下なら免税事業者
  • 2割特例は令和8年分(2026年分)が最後
  • 免税事業者からの仕入れの控除は、2026年10月1日から80%→50%
  • 令和9年分・令和10年分は3割特例。売上税額の3割
  • 2割・3割とも事前の届出は不要。申告書に付記するだけ
  • 決め手は「取引先がインボイスを必要としているか」だけ

制度は動いています。3割特例は令和8年度の税制改正でできたばかりです。1年前の記事を読んでいると、そのまま古い前提で判断することになります。

この記事で確認した出典

  • 国税庁「2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要」2026年8月26日確認
  • 国税庁「令和8年度税制改正特集(インボイス)」(3割特例の創設・簡易課税への円滑な移行措置)2026年8月26日確認
  • 国税庁 インボイスQ&A 問113「免税事業者等からの仕入れに係る経過措置」2026年8月26日確認

制度は変わります。この記事は上の日付時点で確認したものです。申告や登録の前に、国税庁のページと所轄の税務署でご確認ください。個別の判断は税理士におたずねください。

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この記事を書いた人

会社員をしながら副業をしています。Web制作が本業で6年目。FXで200万円、スクールで40万円を失いました。だから「稼げます」とは書きません。自分が払った額と、自分で測った数字だけを載せています。

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