FXで資金を溶かす人の負け方は、だいたい同じところに集まる。1回の損切りが大きすぎるか、損切りができないか、そのどちらかだ。ロット・損切り・利食いは3つで1組で、決める順番が決まっている。順番を逆にすると、どれだけ手法を勉強しても資金が残らない。
僕はFXで200万円を失ってから、勉強し直して2023年から2026年で累計プラス500万円になった。月にならすと8万〜10万円。その間、1回の損切りは1万円前後で揃っている。我慢して揃えているのではない。入る前に、計算で決まっているからだ。
この記事では、その計算を順番どおりに書く。数式は3つだけで、電卓があれば足りる。
※ 広告を含みます。FXは預けた証拠金を上回る損失が出ることがある。この記事は特定の売買を勧めるものではない。
- 損失許容額 — 1回で失ってよい金額を、資金の何%かで決める(2%)
- 損切りの位置 — 「エントリーの根拠が崩れる場所」で決める。値幅では決めない
- ロット数 — ①と②が決まると、計算で出る。自分で選ぶ数字ではない
順番を逆にする人が多い。先にロットを決めて、そのあと損切りをどこに置くか考える。これをやると、ロットの大きさに合わせて損切りの位置が動く。相場の都合で引いた線ではないので、そこを割っても切れなくなる。
① 1回で失ってよい金額を、先に決める
資金の2%が目安になる。総資金50万円なら、1回の取引で失ってよいのは1万円。
| 総資金 | 2%(1回の損失許容額) | 20回続けて負けたら |
|---|---|---|
| 10万円 | 2,000円 | 残り約8.2万円 |
| 30万円 | 6,000円 | 残り約24.5万円 |
| 50万円 | 1万円 | 残り約40.8万円 |
| 100万円 | 2万円 | 残り約81.7万円 |
右の列を見てほしい。2%を守っていれば、20回連続で負けても資金は2割しか減らない。相場に残っていられる。10%で回していたら、20回で資金は12%まで落ちる。同じ20連敗でも、退場するかどうかが変わる。
20連敗なんてあるのか? 勝率5割の手法でも、連敗は普通に来る。来たときに退場していない状態を作っておくのが資金管理で、勝つための工夫ではない。勝率を上げる話ではない。負けたあとに続けられる状態を作る話だ。
② 損切りは「根拠が崩れる場所」に置く。値幅では決めない
損切りラインを置く場所は1つしかない。エントリーした根拠が崩れるところだ。それ以外の決め方は、全部どこかで破綻する。
やってはいけない決め方が2つある
| 決め方 | 何が起きるか |
|---|---|
| 固定pipsで切る(例: 20pips逆行したら) | 根拠が生きているのに切られる。切られた直後に思惑どおり動いて、取れたはずの値幅を逃す。逆に、根拠が崩れているのに「まだ20pipsに届いていない」で持ち続けて、負わなくていい損失を負う |
| 損失が資金の◯%を超えたら切る | 同じ理由でずれる。相場は自分の口座残高を見て動いていない |
上の2つは、どちらも相場と関係のない数字で線を引いている。だから根拠と一致しない。
正しい置き場所は、直近安値のすぐ下
上昇トレンドの継続を根拠に買ったなら、安値を切り上げている間はトレンドが続いている。その直近安値を割った瞬間に、上昇の根拠が消える。だから損切りは直近安値のちょっと下。売りなら直近高値のちょっと上。
割ったあとで再び上がることもある。それは結果論で、割った時点では下落が続く可能性も同じだけあった。もう一度上がるなら、優位性が戻った場所で入り直せばいい。同じ場所に何度でも入れるのが、切った人の特権だ。
僕の直近の記録では、損切りは−14.3pipsと−10.9pipsの2回だった。数字が近いのは狙ったからではない。同じ基準で置いた線が、たまたま近い距離になっただけだ。約定履歴12件に実物を載せている。
③ ロット数は計算で出る。選ぶ数字ではない
①と②が決まると、ロットは自動的に決まる。式はこれだけ。
-
資金 × 0.02 ÷ 損切りまでのpips × 100 = 取引する通貨数
-
資金50万円 / 損切りまで20pips
500,000 × 0.02 = 10,000円(許容額)
10,000 ÷ 20 × 100 = 5万通貨 -
5万通貨で20pips逆行 = 50,000 × 0.20円 = 1万円。決めた許容額と一致する
最後の「×100」は、1通貨あたり1pipsが0.01円だから出てくる。許容額をpipsで割ると「1pipsあたりいくらまで動かせるか」が出て、それを0.01で割ると通貨数になる。0.01で割るのと100を掛けるのは同じことだ。
単位でつまずく人が多いので、実際の金額を並べる。1pips=0.01円で、ドル円1万通貨なら1pipsが100円になる。
| 取引数量 | 1pipsあたり | 20pips逆行したら | 資金50万円に対して |
|---|---|---|---|
| 1,000通貨(0.01ロット) | 10円 | 200円 | 0.04% |
| 1万通貨(0.1ロット) | 100円 | 2,000円 | 0.4% |
| 2.5万通貨(0.25ロット) | 250円 | 5,000円 | 1% |
| 5万通貨(0.5ロット) | 500円 | 1万円 | 2% |
| 7万通貨(0.7ロット) | 700円 | 1万4,000円 | 2.8% |
資金50万円・損切り20pipsで2%に収めるなら、5万通貨(0.5ロット)になる。損切りが40pips離れるなら半分の2.5万通貨。損切りが遠い日はロットが小さくなる。これが正しい動き方で、「大きく取りたいからロットを上げる」をやると、その日だけ許容額が跳ね上がる。
ロットを上げるのは、勝率が安定してからだ。少ない金額で勝てるようになってから枚数を増やす。順番が逆だと、練習の途中で資金が尽きる。
④ 利食いは3分割。1点で当てにいかない
底や天井を当てて全部決済する、というのは無理だと考えている。だから3回以上に分けて決済する。伸びれば残りが伸びるし、止まれば取った分は残る。当てにいかない代わりに、外れても損をしない。
どこで一部を利食うのか。目安になる場所が3つある。
目安1: 1時間足以上で引ける高値・安値の付近
長い時間足のラインの内側にいる限り、力は内向きに働く。短期足で抜けたように見えても、上位足のラインが近ければそこで止まりやすい。だから「付近」で一部を利食う。ぴったりまで伸ばそうとすると、届かずに戻される。
目安2: フィボナッチの38.2%・61.8%
トレンドの起点から高値(安値)までを100%として引く。戻しは38.2〜61.8%に収まりやすいので、その手前で段階的に外す。100%を超えて伸びる展開なら、161.8%・200%・238.2%が次の目安になる。
目安3: キリ番の手前
150.000円や160.000円のような、0が並ぶ価格。ここはトレーダー以外の目にも触れる。ニュースで「1ドル160円台」と報じられれば、相場を見ていない層まで動く。個人投資家以外の思惑が混ざる場所なので、抜けるほうに賭けず、手前で確実に外す。
どれにも当てはまらないとき
その日の平均値動きを使う。日足の高値−安値を10日分(トレンド中)または20日分(レンジ中)足して、日数で割る。デイトレなら、その日の始値からその平均値幅の50%を超えたあたりから、少しずつ外していく。
もう一つ。想定した価格まで届かずに急に戻し始めたら、利食いより先に損切り注文を建値の利益側へ動かす。そこに届くまでの間に、含み益のポジションを少しずつ逃がす。全部持ったまま戻されるのが、いちばんもったいない。
決めた線を、注文で置いておく
ここまで計算しても、画面を見ながら手で切ろうとすると守れない。含み損を見ていると「もう少し待てば」が出る。入ると同時に注文で置く。
| 注文 | 何をするか | 使いどころ |
|---|---|---|
| 逆指値(ストップ) | 指定したレートより不利な方向に動いたら成行で決済 | 損切りを置く。②で決めた線にそのまま置く |
| OCO | 指値と逆指値を同時に出し、片方が成立するともう片方が消える | 利食いと損切りを同時に置く。仕事中に相場を見られない人向き |
急変時は逆指値でも指定より不利なレートで約定することがある(スリッページ)。経済指標の発表前後、週明けの窓、フラッシュクラッシュ。だから指標の日時を先に確認して、当日はロットを落とすか入らない。この判断の材料はファンダで見る3つにまとめた。
実際の記録で、この3つがどう出ているか
2026年4月から6月の12回では、こうなっていた。
- 損切りは2回だけ、−10,010円と−7,630円。1万円前後で揃っている(①②)
- 12回とも同じ0.7ロット。損切りが近い日を選んで入っている(③)
- 利食いは2,520円から53,130円までばらばら。伸びた日だけ伸びている(④)
- 2か月で12回。週1〜2回しか入っていない
勝った回の金額は揃わない。相場が決めるからだ。揃うのは負けた回のほうで、そこは自分で決められる。この記事の3つは、全部その「自分で決められる側」の話になっている。
1回の値幅を薄く何度も取るなら、約定の速さとスプレッドの安定が効いてくる。同じロット計算でも、滑る口座では計算どおりに損切りが通らない。
口座の側でできる設定
計算どおりに切るには、注文が想定どおり通る必要がある。損切りが毎回滑るなら、それは資金管理の外側の問題になる。見るのはスプレッドの狭さと約定の安定で、キャンペーンの金額ではない。
MT4を使うなら、対応している会社が限られる。FXTFはMT4での取引に対応していて、口座開設は無料。1,000通貨から取引できるので、ロットを小さく始めて勝率を上げてから増やす、という順番と相性がいい。
※ 広告を含みます。取引条件・キャンペーンは各社の公式サイトの記載(2026年9月2日確認)で、変わることがあります。口座開設や取引の判断はご自身で行ってください。
よくある質問
- 2%ルールの2%は、動かしてはいけない数字ですか?
-
目安であって、法則ではない。これより大きくすると連敗したときに資金が戻らなくなる。1%にする人もいて、その場合はロットが半分になる。大きくするより小さくするほうに寄せて考えたい。
- 損切りが遠すぎてロットが小さくなりすぎます
-
その取引は見送っていい。ロットが小さくなるのは「いま入ると割に合わない」というサインで、計算がそれを教えてくれている。無理にロットを上げると、②で決めた線が意味を失う。
- デモトレードで練習してから実弾に移るべきですか?
-
僕は2022年の1年を分析とデモに使って、2023年から実弾に戻した。デモは金額の重みが違うので、ツールの操作に慣れる用途と割り切って、資金管理の練習は最小ロットの実弾でやるほうが身につくと思う。
- 利食いを3分割すると、手数料が増えませんか?
-
国内のFXは取引手数料が無料の会社が多く、実質のコストはスプレッド。分割しても決済側で追加のスプレッドはかからないので、回数が増えても大きくは変わらない。
- 含み益が出ているのに、すぐ利食いしてしまいます
-
決済の場所を先に決めていないから起きる。エントリーと同時にOCOで利食いと損切りを置いておくと、その場の判断が入らなくなる。
- ロットはいつ上げればいいですか?
-
いまのロットで、決めたルールどおりに一定期間まわせるようになってから。金額を増やすのは最後で、先に増やすと判断が変わる。
まとめ
- 順番は、損失許容額(資金の2%)→ 損切りの位置 → ロット。逆にしない
- 損切りは「根拠が崩れる場所」。固定pipsでも資金の◯%でもない
- ロットは計算で出る数字。損切りが遠い日は、自動的に小さくなる
- 利食いは3分割。上位足のライン付近・フィボ38.2/61.8%・キリ番の手前
- 決めた線は逆指値かOCOで置く。画面を見ながら手で切らない
- FXが会社にバレる経路は住民税の1つだけ。アルバイトとは違う
- ポジポジ病を克服して、週1〜2回のトレードで収益が安定
※ 広告を含みます。FXは預けた証拠金を上回る損失が出ることがある。数字は2026年9月2日時点で、取引条件は各社の公式サイトをご確認ください。
この記事で確認した資料
2%ルール・ロット計算・損切りの置き方・PIVOT・移動平均分岐・分割利食いの考え方は、運営者が2022年に会員サイトで書いた資金管理の解説4本を、2026年の数字で書き直したもの。約定履歴は本人の記録(2026年4月17日〜6月22日決済分)。国内FXの最大レバレッジ25倍は金融庁のレバレッジ規制による。FXTFの取引条件は公式サイトで2026年9月2日に確認した。
