執筆・監修:ちゃんみ(元・採用責任者。新卒・中途あわせて約500人を書類から最終面接まで担当/法人代表7年/確定申告8年)。この記事の数字と制度は、公式資料を原文で確認した日付つきで書いています。
「補助金が使える」と書いてあるスクールが2種類ある。経済産業省のリスキリング補助金が使える学校と、厚生労働省の教育訓練給付が使える学校だ。名前が似ていて、条件も戻る額も申請先も違う。あなたの講座は、どちらの対象か?あなたが使えるのはどちらか?僕が使ったのは経産省のほうで、税抜765,000円の講座に382,500円が戻った。厚労省のほうは使っていない。
この記事は、2つの制度を同じ表で並べる。対象者、戻る額、いつ戻るか、申請先、途中でやめたらどうなるか。数字は経済産業省と厚生労働省の公式サイトで確認したもの(2026年8月26日・9月2日)。制度は変わるので、申し込む前に公式ページで確かめてほしい。
※ 広告を含みます。制度の数字は経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」公式サイト(2026年8月26日確認)と厚生労働省「教育訓練給付制度」公式ページ(2026年9月2日確認)によります。対象講座・要件は変わります。
| リスキリング補助金(経済産業省) | 教育訓練給付(厚生労働省) | |
|---|---|---|
| 正式名称 | リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 | 教育訓練給付制度(一般・特定一般・専門実践の3種類) |
| 対象者 | 在職中で、雇用主の変更を伴う転職を目指す人 | 雇用保険の被保険者(被保険者だった人)。要件はハローワークで確認 |
| 戻る額 | 修了時に受講費用(税抜)の1/2・上限40万円。転職して1年続けば追加で1/5・上限16万円 | 一般:20%・上限10万円/特定一般:40%・上限20万円(資格取得と1年以内の雇用で50%・上限25万円)/専門実践:50%・年間上限40万円(資格取得と雇用で70%・56万円、賃金5%以上上昇で80%・64万円) |
| いつ戻るか | 修了後(先に全額を払う) | 一般・特定一般は修了後。専門実践は受講中6か月ごと |
| 申請先 | 補助事業者を経由(自分で経産省に申請しない) | 住所地を管轄するハローワーク |
| 講座の決まり方 | 補助事業者ごとに対象講座が決まる | 厚生労働大臣の指定講座 |
| 途中でやめたら | 修了が条件。1円も戻らない | 修了が条件(一般・特定一般)。専門実践は6か月ごとの支給 |
| 前後に要るもの | キャリア相談 → 受講 → 転職支援の3段階 | 専門実践は受講前にキャリアコンサルティングと受給資格確認 |
※ 教育訓練給付の被保険者期間の要件(初回か2回目以降か、離職後の期間)は厚労省の該当ページに具体的な記載が無く、この記事では書いていない。ハローワークか厚労省の「教育訓練給付制度」ページで確認してください。
いちばん違うのは対象者。転職するかどうかで分かれる
経産省のリスキリング補助金は、在職中で、転職を目指している人が対象だ。公式の条件は「サービスへの登録時とキャリア相談対応における初回面談時に在職者であり、雇用主の変更を伴う転職を目指している方」。無職の人、独立・開業が目的の人は対象にならない。転職しなくても修了時の1/2は出るが、追加の1/5は転職して1年続いた人だけ。僕は転職していないので、1/2だけ受け取った。
厚労省の教育訓練給付は、雇用保険の被保険者(または被保険者だった人)が対象で、転職は条件になっていない。スキルを上げたいだけの人はこちらになる。ただし対象講座は厚生労働大臣の指定講座に限られ、Webデザイン系の講座が全部入っているわけではない。
どちらを使うか? あなたが転職するかどうかで決まる。転職するなら経産省のほうが戻る額が大きい(1/2+1/5で最大7/10)。転職しないなら厚労省のほう。どちらの対象にもならない(無職・独立志望)なら、補助なしの前提で総額を見る。
戻る額の計算。税抜か税込かで数万円変わる
経産省の補助率は税抜の受講費用に対してかかる。僕の講座は税込841,500円、税抜765,000円。1/2は382,500円で、上限の40万円には届かなかった。税込で計算するとどうなるか? 420,750円になり、税込のつもりでいると3万8千円ずれる。
| 講座の受講料(税込) | 税抜 | 経産省・修了時(税抜の1/2、上限40万) | 厚労省・一般(20%、上限10万) | 厚労省・専門実践(50%、年40万) |
|---|---|---|---|---|
| 220,000円 | 200,000円 | 100,000円 | 40,000円 | 100,000円 |
| 550,000円 | 500,000円 | 250,000円 | 100,000円(上限) | 250,000円 |
| 841,500円(僕の講座) | 765,000円 | 382,500円 | 100,000円(上限) | 382,500円 |
| 1,100,000円 | 1,000,000円 | 400,000円(上限) | 100,000円(上限) | 400,000円(上限) |
専門実践教育訓練は、資格取得と1年以内の雇用で70%(年間56万円)、さらに賃金が5%以上上がると80%(64万円)まで伸びる。数字だけ見れば経産省より大きい。では専門実践を選べばいいのか? 対象講座が指定講座に限られるので、そう単純ではない。行きたい講座がどちらの対象かを先に確かめるのが、計算より先だ。
先に全額を払う。ここで詰まる
どちらの制度も、基本は先に自分で全額を払い、あとから戻る形だ。経産省は修了後、厚労省の専門実践は受講中6か月ごと。僕は税込841,500円をいったん払っている。「実質40万円」と聞いて40万円だけ用意するとどうなるか? 申し込みの段階で止まる。
途中でやめたらどうなるのか? ここも2つで違う。経産省は修了が条件で、途中でやめると1円も戻らない。厚労省も修了が原則で、専門実践は6か月ごとの支給なので、途中までの分が出ることがある。やめる可能性を織り込むなら、手元に全額を残せるかで判断する。
手続きの順番(キャリア相談→受講→転職支援)と、僕が詰まった5点は80万円のデザインスクールを実質40万円にした話に、通した順で書いた。
どちらの制度を使うかは、転職するかどうかで先に決まる。決まったら、その制度の指定を受けている学校だけを見ればいい。カウンセリングは無料で、対象かどうかもその場で確認できる。
対象講座を公式に書いているスクール
経産省の対象講座を公式に明記しているのはデジハリ・オンラインスクール(修了時50%、転職して1年で20%、合計最大70%。2026年8月29日確認)とデイトラ。厚労省の教育訓練給付の対象講座を公式に載せているのはインターネット・アカデミー(一般:最大10万円、専門実践:最大80%・64万円)。同じ学校でも講座ごとに対象が違う。では何で確認するのか? 講座名で、補助事業者の検索と厚労省の指定講座検索の両方を引く。
5校の補助金の有無と総額はWebデザインスクール5校の総額。補助金で実質いくらになるかに並べた。同じ40万円で結果が真逆になった2回の話は同じ40万円を2回払ったに。
よくある質問
- 2つの制度は併用できますか
-
同じ講座で両方を受けられるかは、この記事では断定しない。補助事業者とハローワークの両方に、講座名を出して確認する。
- 無職ですが、どちらか使えますか
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経産省のリスキリング補助金は在職中が条件で対象外。厚労省の教育訓練給付は被保険者だった人も対象になる場合があるので、ハローワークで要件を確認する。
- 独立するつもりでも使えますか
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経産省は「雇用主の変更を伴う転職を目指す方」が条件で、独立・開業目的は対象外。厚労省は転職を条件にしていない。
- 申請は自分でやりますか
-
経産省は補助事業者を経由し、自分で経産省に申請しない。厚労省は自分でハローワークに申請する。
- 先にお金を用意できません
-
どちらも先払いが基本。経産省は修了後、厚労省の専門実践は6か月ごと。全額を用意できないなら、買い切りで安い講座から入る道もある。
- 実質40万円と書いてあるのに、計算が合いません
-
僕の講座は税込841,500円で、戻ったのは税抜765,000円の1/2=382,500円。手元の負担は税込で459,000円。「実質40万円」は税抜ベースの丸めで、この記事では正確な数字を書いた。
まとめ
- 経産省のリスキリング補助金は「在職中で転職を目指す人」。厚労省の教育訓練給付は「雇用保険の被保険者」で転職は条件でない
- 戻る額は、経産省が税抜の1/2(上限40万)+転職で1/5。厚労省は一般20%(10万)〜専門実践80%(64万)
- どちらも先に全額を払う。経産省は途中でやめると1円も戻らない
- 補助率は税抜にかかる。税込で計算すると数万円ずれる
- 先に、行きたい講座がどちらの対象かを講座名で確認する
※ 広告を含みます。制度の数字は経済産業省・厚生労働省の公式サイトで確認した日付時点のもので、変わります。申し込みの前に公式ページ・補助事業者・ハローワークでご確認ください。
この記事で確認した資料
経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」公式サイト(2026年8月26日確認)。厚生労働省「教育訓練給付制度」ページ(一般20%・上限10万円/特定一般40%・上限20万円と追加給付50%・25万円/専門実践50%・年間上限40万円、70%・56万円、80%・64万円。2026年9月2日確認)。デジハリ・オンラインスクールの対象講座ページ(更新日2026年6月16日、2026年8月29日確認)。インターネット・アカデミー公式サイト(2026年9月2日確認)。僕の受講金額は修了証明書の記載。
