給与明細の有給残日数が「40」になっている。これ以上は増えないのでしょうか?
増えません。法定分だけなら、40日が上限です。そして到達するのは勤続7年6か月から。条文から計算して確かめました。
何年働くと何日もらえるか
39条1項で、入社から6か月+出勤率8割以上で10労働日。そこから1年ごとに加算されます(39条2項)。
| 勤続 | その年に付与される日数 | 加算(条文) |
|---|---|---|
| 6か月 | 10日 | — |
| 1年6か月 | 11日 | +1 |
| 2年6か月 | 12日 | +2 |
| 3年6か月 | 14日 | +4 |
| 4年6か月 | 16日 | +6 |
| 5年6か月 | 18日 | +8 |
| 6年6か月以降 | 20日 | +10 |
6年6か月で20日。そこで打ち止めです。10年働いても15年働いても、1年に付与されるのは20日のまま。
なぜ40日で止まるのか
もう1つ条文があります。時効です。
この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。
労働基準法第115条(e-Gov法令検索・2026年7月17日施行)
有給休暇の請求権は「賃金の請求権」に当たりません。だから2年で時効です。手元にあるのは今年の分と、去年の分だけ。
ここに上の表を重ねると、答えが出ます。
| 勤続 | 今年の付与 | 去年の付与 | 手元の上限 |
|---|---|---|---|
| 5年6か月 | 18日 | 16日 | 34日 |
| 6年6か月 | 20日 | 18日 | 38日 |
| 7年6か月 | 20日 | 20日 | 40日 |
| 8年6か月以降 | 20日 | 20日 | 40日 |
40日ある人は、毎年20日ずつ消えている
上限は40日。毎年20日が付与される。つまり、20日使わなければ20日が消えます。
消化の順番については、労働基準法に定めがありません。古いほうから使う運用が多いようですが、就業規則の書き方で変わります。自分の会社がどちらかを、管理簿か規則で確かめてください。
- 古いほうから使う運用なら、消えるのを先延ばしにできます
- 新しいほうから使う運用だと、古い分が毎年きれいに消えます
残日数40日で止まっている人は、すでに毎年消していることになります。増えていないのは、そういうことです。
僕は40日を392,000円で買い取ってもらいました
会社員をやめたとき、ちょうど40日残っていました。勤続年数からいって、そこが上限です。
会社に有給の買取制度はありませんでした。本来はそのまま消えるところです。退職の時期をずらせないかと相談されたので、ギリギリまで働く代わりに買い取ってほしい、金額は最低時給でいいとこちらから条件を出しました。
神奈川県の最低賃金1,225円 × 8時間 × 40日 = 392,000円。普段の日給とは別の物差しです。
詳しい経緯と、3方式で計算したらいくらだったかは別記事に書きました。消化できるなら消化したほうが多いのは変わりません。
40日を使い切るには
給与明細か年次有給休暇管理簿で見ます。付与日が分かれば、消える日も決まります
39条7項。年10日以上付与される人は、会社が時季を指定してでも5日取らせなければなりません
40日は所定労働日で数えます。土日祝は消化に使いません。約2か月かかります
退職日を先に決めると、消化しきれません
40日は2か月弱。この日程が取れるかを先に確かめてください。退職日を決めるのはそのあとです。
会社が渋る、日程の交渉を自分では言い出せない。その場合、交渉できるのは労働組合法6条の団体交渉権を持つ労働組合型か、弁護士だけです。民間企業の代行は伝えるところまでで、条件を詰めることはできません(弁護士法72条)。
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よくある質問
- 40日を超えることはありますか
-
法定分だけなら超えません。会社が独自に上乗せしている場合や、勤続年数の起算日が入社日と違う場合はこの限りではありません。就業規則を確認してください。
- パートやアルバイトでも40日になりますか
-
週の所定労働日数が少ない人は比例付与になり、付与日数が少なくなります。週5日以上または週30時間以上なら上の表と同じです。
- 消えた有給を復活できますか
-
時効で消滅した分を復活させる義務は、条文には見当たりません。会社が独自に積立制度を設けている場合はその規則によります。
- 買い取ってもらえますか
-
買い取る義務を定めた条文はありません。応じるかどうかは会社の判断です。買取を前提に計画を立てないでください。
- 退職時に40日残っていたらどうなりますか
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消化するか、会社が応じれば買取です。消化するなら所定労働日で約2か月。退職日を決める前に日程を確保してください。
この記事で見た条文
第39条(年次有給休暇)と第115条(時効)を2026年9月9日に原文で確認しました。2026年7月17日施行のものです。買取額と勤続年数は運営者本人の実例で、会社ごとに異なります。
次に読むもの
- 有給を全部使って辞められますか。会社が断れない理由と、いくらになるか
- 退職代行5社の料金と対応範囲。弁護士に頼む線は2つ
- 会社を辞める前に貯める額を、失業手当と支出から逆算した
- 会社を辞めると、もらう前に払うお金が来る。健康保険は20日以内
40日を消化するなら、その2か月のあいだに次を決められます。有給消化中はまだ在籍しているので、選考を進めても問題ありません。
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