執筆・監修:ちゃんみ(元・採用責任者。新卒・中途あわせて約500人を書類から最終面接まで担当/法人代表7年/確定申告8年)。この記事の数字と制度は、公式資料を原文で確認した日付つきで書いています。
同じ40万円を、2回払った。1回目はFXのスクールで、何も残らなかった。2回目はデザインのスクールで、税込841,500円の講座を補助金で実質約40万円(税抜ベース。税込では459,000円)にして、いまの仕事になった。払った額は同じ。違ったのは、先に調べたかどうかだけだった。
何が違ったのか? この記事は、その2回を並べて書く。何を払い、何を受け取り、何が残ったか。そして、2回目に調べた6つの項目。スクールを検討している人が、申し込む前に同じ6つを確かめられる形にした。数字はすべて僕が払った実額と、公式サイト・公的機関で確認したもので、2026年9月2日時点。
どちらのスクールも名前は書かない。1回目は講師を責めたいのでもなく、2回目は僕が通った学校を勧めたいのでもない。見てほしいのは学校の名前より、確かめる項目のほうだ。
※ 広告を含みます。この記事の金額は運営者本人が実際に払った額で、補助金の制度は経済産業省の公式サイト(2026年8月26日確認)によります。制度・料金は変わるので、申し込む前に公式ページと補助事業者でご確認ください。
| 1回目:FXのスクール(2021年) | 2回目:デザインのスクール(2026年1〜7月) | |
|---|---|---|
| 払った額 | 40万円(買い切り) | 税込841,500円(税抜765,000円)→ 補助382,500円で実質459,000円(税抜ベースでは約40万円) |
| 入る前に読んだもの | ほとんど読んでいない | 補助の条件を全部 |
| 教材 | YouTubeでも見られる内容の動画 | 個別指導つきのカリキュラム |
| 講師との接点 | 週1〜2回、生徒全員のZoom。個別なし | 個別の指導あり |
| 添削 | 「いい」「悪い」の2択 | 課題ごとに添削 |
| やめたときの条件 | 書いていない(買い切り) | 修了しないと補助は1円も出ない、と公式に明記 |
| 手元に残ったもの | なし | デザインの基礎・ツール操作・HTML/CSS/JavaScript/PHP/Python |
| いまの状態 | 何も動いていない | Web制作とバナー・LP制作の収入になっている |

1回目。40万円で受け取ったのは3つだけだった
Instagramで相場の解説を投稿していた人のスクールだった。「生徒は募集していません」と言い続けているのを見ていて、ある日の「募集してみようかな」の一言で入った。募集していないと言うほど、入りたい人は増える。うまい設計だったと思う。乗ったのは僕だ。
40万円で何を受け取ったのか? 動画教材、週1〜2回のZoom、トレード履歴の添削の3つだった。動画はYouTubeで見られる範囲の内容だった。Zoomは生徒全員が入る形で、相場検証と質疑応答だけ。1人に割ける時間は数分で、自分の取引を持ち込む場になっていなかった。添削は「いい」「悪い」の2択で返ってきた。どこがどう悪いのかが無いので、次の取引で直せない。
もう少し具体的に教えてほしいと頼んだときの答えは、「負けている人は努力不足。すぐ人に頼って自分でなんとかしようとしない」だった。言っていること自体は正しい。相場で最後に判断するのは自分だ。では、40万円は何の代金だったのか? 自分でなんとかしろが結論なら、入る必要が無かったことになる。
買い切りだったので、途中でおかしいと気づいても抜ける道は無かった。講師自身の口座の開示も無かった。相場の解説はうまい。うまいことと勝っていることは別で、後者を確かめる材料は最後まで出てこなかった。中身の詳しい記録はFXスクールを考えるなら注意してほしい6つのことに、制度の側(特定商取引法の中途解約の対象に投資スクールが入っていないこと)は40万円のスクールで何も残らなかった。確認すべきだった5つに書いた。
2回目。84万円の講座を、調べただけで38万円戻した
2026年2月から7月、オンラインのデザインスクールに通った。受講金額は税込841,500円(税抜765,000円)。経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」で、修了時に受講費用(税抜)の1/2が戻る。765,000円の半分で382,500円。手元の負担は税込で459,000円、税抜で見れば382,500円になる。この記事で「実質40万円」と書いているのは、この税抜ベースの数字を丸めたものだ。転職して1年続いたときに出る追加の1/5(上限16万円)は、転職していないので受け取っていない。
この制度で詰まる点は5つあって、全部先に読んでから申し込んだ。修了しないと1円も出ない。補助率は税抜に対して。先に全額を自分で払う。転職しないと満額にならない。対象講座は補助事業者ごとに決まっている。いったん手元から84万円が出ていくことだけは、読んでいても重かった。
何が残ったか? デザインの基礎知識とツールの操作、HTML / CSS / JavaScript / PHP / Python。その結果として、Web制作とバナー・LP制作での収入。40万円分の価値があったかどうかは、受けた本人にしか判断できない。だから金額での評価はせず、できるようになったことだけを書いている。制度の手続きは80万円のデザインスクールを実質40万円にした話に、通した順番で書いた。
違いは「先に調べたか」だけ。調べた6つ
では、2回目は何が違ったのか? 申し込む前、僕は補助の条件を全部読んだ。1回目は何も読んでいない。中身が違ったのはその結果で、原因は調べたかどうかだった。2回目に確かめた6つを、1回目に当てはめるとこうなる。
| 確かめること | 1回目(FX) | 2回目(デザイン) | どう確かめるか |
|---|---|---|---|
| 教材は無料で手に入る範囲か | YouTubeで見られる動画のみ | 個別指導つきのカリキュラム | サンプルを1本見て、内容を検索する |
| 個別で見てもらえる時間はあるか | 無し。全員Zoomのみ | あり | 入会前に聞く。渋られたら答えと考える |
| 講師の実績を確かめられるか | 口座の開示なし | 講師の経歴が出ている | 入会前に聞く |
| 添削はどこまで具体的か | 「いい」「悪い」の2択 | 課題ごとに添削 | 添削の実物を1件見せてもらう |
| やめたときいくら戻るか | 買い切り。解約の定めなし | 修了が補助の条件と公式に明記 | 契約書の解約条項を指で追う |
| 終わったとき何が残るか | なし | 制作物と、書けるようになった言語 | 修了条件と卒業制作の有無を見る |
6つのうち5つは、契約する前に質問すれば分かる。残る1つも、契約書に書いてあるかどうかで判断できる。書いていなければ、それが答えだ。僕は1回目に、この6つを1つも確認せずに払った。
失敗するスクールの型は3つ。全部、1回目に当てはまった
- 料金が公式に書いていない — 「説明会でのみ」「相談で案内」。その場で決めさせる設計になりやすい。数字を聞いて、いったん帰る
- 個別の時間が無い — 全員参加のZoomだけなら、40万円の対価は「情報」になる。情報は無料で転がっている
- 買い切りで、やめたときのことが書いていない — 買い切り自体は悪くない。教材が無期限で追加料金なしと公式にあるなら条件ははっきりしている。書いていない買い切りが、いちばん逃げ場が無い
型は3つとも、公式ページと契約書を読めば入会前に分かる。なぜ僕は見なかったのか?安心だと思って払うと、この3つを見ない。僕がそうだった。
選び方。補助金 → 添削 → 残るもの、の順
2回目の順番をそのまま書く。
経産省のリスキリング補助金は「在職中」かつ「転職を目指す」人が対象で、修了時に税別の1/2(上限40万円)。厚労省の教育訓練給付は別の制度。無職・独立志望は対象外。対象講座は補助事業者ごとに決まるので、講座名で検索する。
回数が数字で書いてあるか。質問は個別か、全員か。添削の実物を1件見せてもらえるか。ここが「情報」と「指導」の分かれ目になる。
修了条件は何か。卒業制作はあるか。作ったもの、証明書、使えるようになるツール。「稼げるようになる」は残るものではない。
契約書の解約条項を、申し込む前に指で追う。書いていなければ、それが答え。投資・副業・プログラミングのスクールは特定商取引法の中途解約の対象7業種に入っていない。
この順番で5校を並べたのがWebデザインスクール5校の総額。補助金で実質いくらになるかで、僕が通った学校はその5校に入っていない。
僕がいま選び直すなら。3つの状況で
いま選ぶなら、どこか? 状況で答えが変わるので、2回目の経験から3つに分けた。
在職中で、転職を目指している。補助金を上限まで使う
リスキリング補助金の対象講座を公式に明記しているスクールから選ぶ。デジハリ・オンラインスクールは対象講座と、修了時50%・転職して1年で20%のキャッシュバックを公式に書いている(2026年8月29日確認)。税込84万円の講座が補助で実質46万円になった僕の経験は、この型だった。
働きながら1年かけて学ぶ。厚労省の給付金が使える講座で選びたい
インターネット・アカデミーは1995年創業で、受講期間1年の受け放題、教育訓練給付(一般・専門実践)の対象講座を公式に載せている。受講料は公式ページに数字が無いので、無料カウンセリングで聞いて、その場では決めない。1回目の失敗は「説明会でのみ」の数字をその場で決めたことだった。同じ手順で、今度は帰ってから決める。
副業で最初の1件を取りたい。補助金の対象外か、傷を浅くしたい
デイトラは129,800円の買い切りで、教材は無期限、追加料金なし、添削5回と公式に書いている。買い切りでも、やめたときのことが書いてある。1回目の買い切りとは、そこが違う。
※ 広告を含みます。僕が受けた講座はこの3校ではありません。料金・条件・補助金の対象は各校の公式サイトの記載(2026年9月1〜2日確認)で、変わることがあります。
よくある質問
- 同じ40万円で、なぜ結果が真逆になったのですか
-
先に調べたかどうかだけ。1回目は何も読まずに払い、2回目は補助の条件を全部読んでから申し込んだ。調べた結果として、中身の違うスクールを選んでいた。
- 高いスクールほど中身がいいですか
-
金額では判断できない。同じ40万円で真逆だった。見るのは、教材が無料の範囲か、個別の時間があるか、添削が具体的か、やめたときいくら戻るか、終わったとき何が残るか。
- リスキリング補助金は誰でも使えますか
-
使えない。在職中で、雇用主の変更を伴う転職を目指す人が対象。修了時に税別の1/2(上限40万円)、転職して1年で追加の1/5(上限16万円)。先に全額を自分で払う。
- 投資やFXのスクールにクーリング・オフはありますか
-
特定商取引法の中途解約・クーリング・オフが法律で決まっているのは政令の7業種(エステ・美容医療・語学・家庭教師・学習塾・パソコン教室・結婚相手紹介)で、投資・FX・副業・プログラミングのスクールは入っていない。契約書の解約条項が頼りになる。迷ったら消費者ホットライン188。
- 料金が公式に書いていないスクールは避けるべきですか
-
避けるとまでは言わない。相談で数字を聞いて、その場で決めずに帰る。1回目の失敗は、その場で決めたことだった。
- このサイトはFXのスクールを紹介しますか
-
しない。40万円払って何も残らなかったから。Webデザインのスクールは、公式の料金と補助金の有無を並べた5校の比較で扱っている。
まとめ
- 同じ40万円。1回目は何も残らず、2回目は仕事になった。違いは先に調べたかどうか
- 1回目で受け取ったのは、YouTube級の動画・全員Zoom・「いい/悪い」の添削。買い切りで解約の定めなし
- 2回目は税込841,500円を補助382,500円で実質459,000円に。修了しないと1円も出ない条件を、先に読んでいた
- 確かめる6つ。教材・個別の時間・講師の実績・添削の実物・やめたときの返金・終わったとき残るもの
- 選ぶ順は、補助金の対象か → 添削と質問の条件 → 残るもの → 解約条項
調べただけで40万円。時給に直したら、人生でいちばん割のいい作業だった。逆に、調べなかった40万円は、何も返ってこない。スクールで差がつくのは、入ってからより、入る前だ。
※ 広告を含みます。この記事の金額は運営者本人の実額。制度は経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」(2026年8月26日確認)、特定商取引法の対象7業種は消費者庁「特定商取引法ガイド」(2026年8月26日確認)によります。個別のトラブルは消費生活センターや弁護士にご相談ください。
この記事で確認した資料
1回目・2回目のスクールの中身と金額は運営者本人の記録(2021年、2026年1〜7月)。補助金は経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」公式サイト(2026年8月26日確認)。クーリング・オフと中途解約の対象は消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供」(2026年8月26日確認)。デジハリ・オンラインスクールの対象講座とキャッシュバック条件は公式ページ(更新日2026年6月16日、2026年8月29日確認)、インターネット・アカデミーとデイトラの条件は各公式サイト(2026年9月1〜2日確認)。
