執筆・監修:ちゃんみ(元・採用責任者。新卒・中途あわせて約500人を書類から最終面接まで担当/法人代表7年/確定申告8年)。この記事の数字と制度は、公式資料を原文で確認した日付つきで書いています。
エンジニア転職スクールの比較記事は、転職成功率の高い順に並んでいるものが多い。僕はスクールに40万円払って、返金の条件を読まずに失った側の人間だ。だから先に見る場所が違う。お金が戻る話の、条件の本文。保証・返金・補助金、この3つには必ず条件が付いている。
2回目のスクール選びでは、契約する前に条件を全部読んだ。定価80万円の講座が、経済産業省のリスキリング補助金で実質40万円になった。1回目と2回目、払った額は同じ40万円。1回目は何も残らず、2回目はWeb制作の収入になっている。違ったのは、先に調べたかどうか。それだけだった。
この記事では、うちが提携しているエンジニア転職系のスクール2社(テラキャン プログラミング エンジニア転職・ササエル)の料金と、保証・返金・補助金の条件を、公式サイトの記載だけで並べました。順位は付けていません。目指す職種が開発かインフラかで、比べる相手にならないから。各社の情報は2026年9月1日に公式サイトで確認したもの。僕が通ったスクールは、この2社のどちらでもない。
| スクール | 学べる領域 | 料金(税込) | 保証・返金 | 補助金 | 公式 |
|---|---|---|---|---|---|
| テラキャン プログラミング エンジニア転職 (旧DMM WEBCAMP) | 開発エンジニア。短期集中・就業両立・専門技術の3コース | 就業両立コース889,350円。他コースは文字情報で確認できず | 「転職保証付き」と記載。効く条件は文字情報に無し | リスキリング認定講座。修了で50%・最大70% | 公式サイト |
| ササエル | インフラエンジニア。初級・中級・上級 | 初級19,800円・中級98,000円 | 保証なし。返品・返金不可と明記 | 記載なし | 公式サイト |
※ 広告を含みます。料金・条件は各社の公式サイトの記載(2026年9月1日確認)で、時期により変わります。「転職成功率98.8%」などの数字は各社の自社表記です。スクール受講者のアンケートを準備中で、集まり次第「実際に払った総額」「内定までの月数」の集計を足す。
お金が戻る話は3種類。条件の置き場所がそれぞれ違う
エンジニア転職スクールの広告には、お金が戻る話が3種類出てくる。転職できなければ返す「転職保証」。途中でやめたら精算する「返金保証」。国が出す「補助金」。全部同じに見えないだろうか? 僕は同じに見えていた。条件が書いてある場所が、それぞれ違う。
- 転職保証 — スクールの約束。効く条件(年齢・学習の履行・紹介求人への応募義務など)は、広告には書かれない。契約書や規約の側にある
- 返金保証 — 途中でやめたときの精算ルール。対象コースと日数の縛りが付く
- 補助金 — 国の制度。対象者と修了条件が決まっていて、先に全額払い、あとから戻る
3つ目の補助金は、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」です。対象はいま企業と雇用契約があり、転職を目指している人。修了で受講費用(税抜)の50%、転職して1年続けばさらに20%、合計最大70%(上限56万円)が戻る。無職の人、フリーランス・役員は対象外。途中でやめたら1円も出ない。僕が80万円を実質40万円にした手続きの流れは80万円のデザインスクールを実質40万円にした話に書きました。
テラキャンはこの事業の認定講座で、修了条件を公式サイトに3つ明記している。50%が戻るかどうかは、この3つで決まる。
- カリキュラムをすべて完了させる
- カリキュラムの課題をすべて提出し、合格している
- キャリアカウンセリング等の提供するサービスを、規定の回数受講している
3つとも「やり切ったか」を問う条件です。学び始める前の自分に置き換えてほしい。仕事をしながら、課題を全部出して合格まで持っていけるか? テラキャン公式のFAQには、期間内に修了できなくても最大24か月まで延長できるとある。延長で追加受講料が出る場合の扱いも含めて、契約前に確認する項目。
40万円のスクールで何も残らなかった経緯は40万円のスクールで何も残らなかった話に書いてあります。あのとき僕が読まなかったのが、まさにこの「条件の本文」だった。
2社の料金と中身。公式サイトで確認できたことだけ
1社ずつ、料金・できること・注意点・向いている人・4項目の点数を並べる。点数は公式サイトの記載を元にした僕の採点で、受講した感想とは別物。ボタンの先は各社の公式サイト(広告リンク)です。
テラキャン プログラミング エンジニア転職(旧DMM WEBCAMP)|補助金で最大70%
株式会社SHIFTが運営するエンジニア転職特化のオンラインスクール。最短3か月の短期集中コース、働きながら学ぶ就業両立コース、AI・クラウドを学ぶ専門技術コースの3つ。転職成功率98.8%・離職率2.3%(いずれも自社表記。旧DMM WEBCAMPでの実績で、所定の学習および転職活動を履行された方に対する割合)。過去8,000名以上のIT人材を輩出と記載。専任のキャリアアドバイザーが自己分析から履歴書添削・面接対策・企業紹介まで付く。
- 経済産業省のリスキリング事業の認定講座。修了で受講費用(税抜)の50%、転職して1年でさらに20%が戻る(上限56万円)
- 就業両立コースは定価889,350円→補助金で実質329,350円と公式に試算を明記
- 質問は無制限。メンターは通過率10%の選考を通った現役エンジニア
- キャリアサポートは入塾から卒業まで一貫。未経験者の割合97%(自社表記)
こんな人に向く:いま在職中で、開発エンジニアへの転職を目指し、補助金を上限まで使う人
料金:就業両立コース889,350円(税込。補助金適用で実質329,350円と公式に記載)。短期集中・専門技術コースは公式の文字情報で確認できず。無料カウンセリングで総額を確認
| 料金の明確さ | ★★☆☆☆ 2.0 |
|---|---|
| 保証・返金条件の記載 | ★★☆☆☆ 2.0 |
| 学習内容とサポート | ★★★★★ 5.0 |
| 情報の透明さ | ★★★★☆ 4.0 |
採用側で約500人を見てきた僕が最初に読むのは、98.8%の注記です。分母は「所定の学習および転職活動を履行された方」。履行とは何をどこまでやることか? 紹介求人への応募義務は入っているのか? 文字情報には無いから、カウンセリングで聞く質問に入れる。数字そのものより、分母の定義。採用の現場でも、歩留まりの数字はいつも分母で決まっていた。
ササエル|初級19,800円・インフラエンジニア特化
Windows Serverのレンタルサーバー「Winserver」を運営するアシストアップ株式会社の、インフラエンジニア特化オンラインスクール。初級コースは19,800円で14レッスン。中級コースは98,000円で15レッスン(事前予約受付中)。中級・上級では1人1台のWindows VPS(仮想サーバー)が提供され、動画講座を見ながら実際にサーバーを操作して学ぶ。メンターは現役のインフラエンジニア。サイトとカリキュラムはスマートフォン完全対応。
- 初級19,800円・中級98,000円と、料金が公式に明記されている
- 中級・上級は1人1台の仮想サーバーを触りながら学ぶ。サーバー運営会社ならではの構成
- 申し込み当日から受講できる。支払いはクレジットカードと銀行振込
- できないこと(返品・返金不可)を特定商取引法のページに先に書いている
こんな人に向く:サーバー・ネットワークの仕事に進みたい人。まず2万円弱で、インフラが自分に合うか試したい人
料金:初級コース19,800円・中級コース98,000円(税込・公式サイトの記載)。上級コースは公式の文字情報で確認できず
| 料金の明確さ | ★★★★☆ 4.0 |
|---|---|
| 保証・返金条件の記載 | ★★★★☆ 4.0 |
| 学習内容とサポート | ★★★☆☆ 3.0 |
| 情報の透明さ | ★★★☆☆ 3.0 |
「サービスの性質上、返品・返金はお受けしておりません」。特定商取引法のページにそう書いてある。冷たい会社なのか? 僕は逆に読む。僕が40万円払ったFXスクールは「稼げる」と言って、返金の条件を書かなかった。ササエルは、返らないことを先に書いて、賭け金を19,800円に抑えている。失って許せる額が最初から見えているのは、40万円を失った身には誠実に映る。
40万円失った僕が、契約する前に見る4つ
2社をこの4つで見ると、聞くべきことが残っているのはどこか、はっきりする。
- 保証が効く条件の本文 — テラキャンは「転職保証付き」とうたうが、条件は文字情報に無い。契約書のどの条項か、カウンセリングで指で追う。ササエルはそもそも保証が無い
- やめたときにいくら戻るか — テラキャンの未利用期間返金はエンジニア転職が対象外と明記。中途解約の精算は公式FAQに項目があるものの、本文は今回確認できなかった。ササエルは返品・返金不可と明記
- 補助金の後払いに耐えられるか — 就業両立コースなら、いったん889,350円が口座から出る。戻るのは修了後。僕も80万円をいったん全部払った
- 総額が文字で書いてあるか — 短期集中・専門技術コースの料金は文字情報に無かった。口頭で聞いた額は、書面かメールで残してもらう
4つ確認して迷いが残ったら、契約する前に消費者ホットライン188に電話していい。番号を知ってから、僕はスクール選びが怖くなくなった。
無料カウンセリングで聞くのはこの4つで足りる。答えが書面で出てこない項目があれば、それも判断材料。
目的別に選ぶなら
順位は付けないと書いた。目指す職種と補助金の対象かどうかで、選択はほぼ決まる。
- 在職中で、開発エンジニアへの転職に補助金を使う → テラキャン エンジニア転職(保証の条件と総額をカウンセリングで書面確認してから)
- サーバー・ネットワークの仕事に進みたい → ササエル(転職活動は自分で動く前提)
- 開発かインフラか決めきれない → ササエル初級19,800円で触ってから決めても遅くない
- 無職・フリーランスで補助金の対象外 → 定価で比べる。テラキャンは889,350円がそのまま乗る
エンジニアよりデザイン寄りで考えたい人はWebデザインスクール5校の総額を。スクールに行く前に、そもそもどの副業が自分に合うか迷っている段階なら副業5つ試した僕の実額から読んでください。順番はいつも、払う前。
よくある質問
- 転職保証の条件はどこで確認できますか
-
テラキャンのエンジニア転職ページのタイトルには「転職保証付き」とありますが、保証が効く条件は今回確認した3ページの文字情報にはありませんでした。無料カウンセリングで契約書・規約のどこに書いてあるかを確認してください。ササエルに転職保証の記載はありません。
- リスキリング補助金は誰でも使えますか
-
使えません。企業と雇用契約がある人(正社員・パート・アルバイト・契約社員・派遣社員)で、雇用主の変更を伴う転職を目指す人が対象です。無職・経営者・役員・業務委託・フリーランスは対象外と、テラキャンの公式ページにも明記されています。
- 教育訓練給付とは併用できますか
-
テラキャンの公式FAQに、専門実践教育訓練給付金を含む他の補助金との併用は認められていない、とあります。過去に専門実践教育訓練給付金を受けた人が、今回リスキリング補助金を使うことは可能とも書かれています。ササエルには給付金の記載がありません。
- 30代後半でも受講できますか
-
テラキャンの公式FAQでは、年齢制限は設けていないものの、転職を望む場合は35歳未満の方を推奨する、と書かれています。30代の転職成功者のエピソードも紹介されています。年齢と地域が転職難易度に影響するとの記載もあるので、カウンセリングで率直に聞いてください。
- 途中でやめたら返金されますか
-
テラキャンの未利用期間返金保証は「エンジニア転職は対象外」と料金ページに明記されています。中途解約の精算方法は公式FAQに項目がありますが、本文はこの記事では確認できていません。ササエルは返品・返金不可と明記。迷ったら契約前に消費者ホットライン188へ。
- この2社の点数は受講した感想ですか
-
違います。公式サイトの記載を4項目で採点したものです。僕が通ったのは、この2社とは別のスクール。受講者アンケートを準備中で、集まり次第「実際に払った総額」「内定までの月数」の集計に差し替えます。
まとめ
あなたは補助金の対象か? 保証の条件を書面で確認したか? この2つに答えてから申し込めば、40万円を失った僕のようにはならない。
- 補助金の対象は在職中+転職志望。修了で税抜の50%、転職して1年でさらに20%(上限56万円)
- 50%が戻る修了条件は3つ。カリキュラム完了・課題全部合格・キャリアカウンセリングの規定回数受講
- テラキャンの「転職保証付き」の条件は、公式の文字情報で確認できず。契約前に条項を確認
- ササエルは初級19,800円・中級98,000円。保証・補助金の記載なし、返品・返金不可と明記
- 補助金は後払い。先に全額が出ていく資金繰りまで含めて計画する
※ 広告を含みます。料金・条件は各社の公式サイトの記載(2026年9月1日確認)で、変わることがあります。補助金の記述は経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」と各社公式ページの記載の範囲で、実際の給付は補助事業者の判定によります。この記事の体験談は、僕が別のスクール2つ(FX・デザイン)に払った経験に基づくもので、この2社を受講したものではありません。
この記事で確認した資料
テラキャン プログラミングは、エンジニア転職コースページ・料金プランページ・リスキリング補助金ページの3ページを2026年9月1日に確認しました。ササエルは、公式サイトのトップ・コース料金ページ・特定商取引法に基づく表記の3ページを同日に確認。補助金の制度は経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」公式サイト(2026年8月26日確認)によります。ササエルのよくある質問ページは本文がスクリプト描画のため、この記事では引用していません。
