執筆・監修:ちゃんみ(元・採用責任者。新卒・中途あわせて約500人を書類から最終面接まで担当/法人代表7年/確定申告8年)。この記事の数字と制度は、公式資料を原文で確認した日付つきで書いています。
「副業って何がいいですか」と聞かれることが増えました。答えにくい質問です。向いている形が人によって違うからです。
なので、一般論の代わりに自分が試した5つの収支をそのまま書きます。合計で240万円失いました。そのあと200万円を取り返しています。
同じ40万円を2回払って、片方は何も残らず、片方はいまの仕事になりました。違いがどこにあったのかを、あとから整理したものが今回の中身です。
- 失った240万円は、全部FXです。スクールに40万円、独学のやり直しで200万円
- やめられたのは、目的を思い出したからです。お金を増やしたかっただけで、トレードがしたかったわけではありませんでした
- 取り返したのは株の200万円。変えたのは、始める前に調べたことだけです
- スクールで結果が分かれたのは、教える人の実績を外から確認できたかどうか。1回目は口座の開示すらありませんでした
- 途中でやめたときにいくら戻るかは、法律で上限が決まっています。ただし副業や独立を目的にすると、その保護から外れる可能性があります
試した5つと、お金の動き
順番に試したものです。同時にやっていたものもあります。
| 何を試したか | お金の動き | 何が残ったか |
|---|---|---|
| FXのスクール | -40万円 | 何も残りませんでした |
| FX(独学でやり直し) | -200万円 | やめる判断 |
| せどり | 月10〜20万円 | 相場を読む感覚。ただし時間を使います |
| 株 | 2年で+200万円 | いまも続けています |
| デザインスクール | -40万円(定価80万円) | いまの仕事 |
赤字が240万円、黒字が200万円です。差し引きではまだマイナスですが、5つ目が仕事になったので、そこは金額で数えていません。
① FXのスクールに40万円払いました
きっかけはInstagramです。相場の解説を投稿している人がいて、内容そのものは分かりやすいものでした。
その人は「生徒は募集していません」と言い続けていました。それをしばらく見ていて、ある日の「募集してみようかな」の一言で入会しました。
冷静になったいま考えると、この流れ自体が入会させるための設計だったと思います。募集していないと言い続けるほど、入りたい人は増えます。
入ってから気づいたこと
すでに何人も生徒がいました。ところが成功している人が見当たりませんでした。
そして決定的だったのが、その人がFXで勝っている証拠が何もなかったことです。口座の開示すらありませんでした。それが分かったのは、40万円を払ったあとです。
先に確認していれば止まれました。順番を間違えたというより、確認そのものをしていませんでした。
このときの反省は別の記事に詳しく書いています。
② 独学でやり直して、200万円失いました
負けず嫌いだったので、スクールが駄目なら自分でやると考えました。結果はマイナス200万円です。
40万円のときは「教わり方が悪かった」で説明がつきます。200万円のときは説明がつきません。自分の判断でそうなりました。
なぜそこでやめたか
続けていれば取り返せたかもしれません。ただ、取り返せる根拠が自分の中に一つもありませんでした。根拠がないまま続けても、負ける金額が大きくなるだけです。
やめた理由は、もう一つあります。こちらのほうが大きいと思っています。
そもそもトレードがしたかったわけではありません
自分の目的はお金を増やすことでした。トレードは、そのための手段の一つです。
ところが240万円を失うまでの間、目的のほうを見ていませんでした。勝てるようになることのほうが目的になっていました。負けた分を取り返そうとすると、この入れ替わりが起きます。
目的がお金を増やすことなら、手段は入れ替えられます。相場で勝てないなら、別の手段でお金を増やせばいいだけです。そう考えて、デザインのスキルを磨くことと、アフィリエイトに切り替えました。いまはそちらが仕事になっています。
副業の種類を選んでいるつもりで、いつのまにか「その副業で勝つこと」が目的になっていないか。ここは何度も確認したほうがいいです。
③ せどりで月10〜20万円になりました
当時は買取業界にいました。物の相場には詳しいほうです。安く仕入れて、メルカリやヤフオクで売る。これが月10万円から20万円になりました。
うまくいった理由は、副業の中身ではありません
せどりそのものが優れていたわけではありません。本業で身につけた相場感が、そのまま使えただけです。相場を知らない状態で同じことを始めていたら、この金額にはなっていません。
ここは、副業を選ぶときに見落としやすいところだと思っています。いま持っているものが使える副業かどうかで、立ち上がりの速さが変わります。
問題は時間でした
仕入れに行って、写真を撮って、説明文を書いて、梱包して、発送する。自分の時間がかなり削られます。売上は立っても、時間あたりで見ると厳しい月がありました。
「月20万円の副業」。金額だけを並べれば、良さそうに思えるはずです。実際には何時間使ったかまで込みで考えないと、判断を間違えます。
なお、せどりの利益が増えてくると、確定申告の話が出てきます。20万円の数え方を間違えている人が多いところです。
④ 株で2年かけて200万円取り返しました
そのあと株を始めました。FXで240万円失った人間がまた相場に戻るのかと思われそうですが、このときは一つだけ変えました。
先にブログと本を読み漁ってから始めたことです。
結果は2年でプラス200万円を超えました。
払った額は同じです
FXのスクールに払った40万円と、デザインスクールに払った40万円。金額は同じです。株を始める前に使ったのは本とブログの時間だけで、お金はほとんどかかっていません。
違ったのは、先に調べたかどうかだけでした。このサイトで金額と日付を必ず書いているのは、この経験があるからです。
⑤ デザインスクールに80万円、実質40万円で通いました
2026年1月から7月まで、オンラインのデザインスクールに通いました。定価は80万円です。経済産業省のリスキリング補助金を使って、実質40万円になりました。
何が残ったか
- デザインの基礎と、ツールの操作
- HTML・CSS・JavaScript
- PHP・Python
- いまはWeb制作に加えて、バナー・LP制作でも収入があります
同じ40万円でも、こちらは仕事になりました。1回目との差がどこにあったのかを、次にまとめます。
スクールを選ぶときに確認したのは、この記事の後半に書いた3つです。教える人の実績が外から確認できるか、身につくものに外の評価基準があるか、途中でやめたらいくら戻るか。
公的な事業に採択されているスクールなら、対象講座と条件が公開されています。手持ちの材料が増えます。
公的事業の対象講座を持つスクールを見る※ 広告リンクです。僕が受けた講座ではありません。対象コース・条件・料金は変わります。申し込む前に必ず公式ページと補助事業者にご確認ください。
80万円は、僕が補助金を使えたから払えた額です。使えない人が同じ道を選ぶなら、買い切り129,800円で教材が無期限のスクールから入るほうが、傷が浅い。
2回目に効いたのは、締切と、詰まったときに押してくれる人だった。どちらも自分では用意できない。カウンセリングは無料なので、その2つが本当に付いてくるかだけ聞いて帰ればいい。
同じ40万円で、なぜ結果が分かれたか
あとから並べてみると、確認できたかどうかで3つに分かれていました。
1. 教える人の実績が、外から確認できるか
FXのスクールには、講師が勝っている証拠がありませんでした。口座の開示がないので、こちらから確認する手段がありません。
デザインとコードは、出来上がったものが外から見えます。スクールを選ぶ側も、卒業生の制作物が公開されているかを、契約する前に確認できます。
本人が「実績がある」と言っているかは、判断の材料にしません。こちらが確認できる形で出ているかを見ます。
2. 身につくものに、外の評価基準があるか
デザインとコードには、外の評価基準があります。作ったものを見せれば、スクールと関係のない人が良し悪しを判断できます。求人票にも「HTML・CSS」と書かれています。
相場で勝つ手法には、それがありません。教わった手法が正しいかを判定できるのは結果だけで、結果が出るまで分かりません。途中で「これは駄目だ」と気づける仕組みがないということです。
3. 途中でやめたときに、いくら戻るか
ここは法律で決まっています。契約する前に確認できるところなので、金額を出しておきます。
一定期間を超えて、一定金額を超える契約になる講座は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」という枠に入ります。指定されているのは次の7つです。
- エステティック / 美容医療(1か月を超えるもの)
- 語学教室 / 家庭教師 / 学習塾 / パソコン教室 / 結婚相手紹介サービス(2か月を超えるもの)
- いずれも契約金の総額が5万円を超えると対象になります
「パソコン教室」は、条文では「電子計算機又はワードプロセッサーの操作に関する知識又は技術の教授」と定義されています。入学金・受講料・教材費・関連商品の販売を合計して5万円を超えているかで判断します。
この枠に入る契約には、次の保護が付きます。
-
法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面または電磁的記録で解除できます
-
8日を過ぎても、将来に向かって解約できます。事業者が請求できる額には上限があります
パソコン教室の場合、事業者が請求できる上限はこの額です。
| いつ解約するか | 事業者が請求できる上限 |
|---|---|
| 受講が始まる前 | 1万5000円 |
| 受講が始まったあと | すでに受けた分の対価 + 5万円か、契約残額の20%のどちらか低いほう |
契約残額とは、対価の総額から、すでに受けた分を差し引いた額です。
★ ただし、副業や独立が目的だと外れる可能性があります
ここは注意が要ります。特定商取引法には適用除外があり、その1つ目が「営業のため、又は営業として締結するもの」です。
副業で稼ぐため、独立するために受講するという契約が、ここに当たると判断される場合があります。当たると、上で書いたクーリング・オフも中途解約の上限も使えません。
この線引きは契約ごとの個別判断で、こちらで断定はできません。高額な契約をする前に、消費生活センターに聞いておくのが確実です。電話は188です。
ここまで読んで「じゃあ何を確認してから払えばいいのか」と思った方へ。1回目に何を見落としたかを5つに分けて書いた記事と、2回目で使った補助金の中身をまとめた記事があります。
いまから始めるなら、この順番にします
5つ試したあとで組み直すなら、こうします。
お金を増やしたいのか、時間を作りたいのか、手に職をつけたいのか。副業の種類はそのための手段です。ここを飛ばしたので、自分は「トレードで勝つこと」のほうが目的になり、240万円失いました。
本業の知識、資格、詳しい分野。せどりが立ち上がったのは買取業界にいたからです。ゼロから始めるより、持っているものが使える形を先に探します。
株で変えたのはここだけです。本とブログを読むのに、お金はほとんどかかりません。ここを飛ばして先にお金を払うと、40万円のほうの結果になります。
雇われて働くか、業務委託かで、労働時間の通算や社会保険の扱いが変わります。始めてから知ると戻れません。
月の売上だけを見ません。何時間使ったかまで記録します。せどりで気づいたのはここです。
この段階で講座や機材にお金を使います。逆にしません。
3番目については、就業規則の副業禁止がどこまで効くのかを別に書いています。あわせてどうぞ。
よくある質問
- 結局、いちばん稼げる副業はどれですか。
-
自分の5つでは、金額だけなら株です。ただし240万円失ったあとの200万円なので、これを人に勧める気にはなれません。立ち上がりが速かったのはせどりで、理由は買取業界にいて相場に詳しかったからです。いま持っているものによって答えが変わります。
- FXのスクールに払った40万円は、返ってきましたか。
-
返ってきていません。当時は特定商取引法の中途解約のことも知らず、確認もしませんでした。この記事で金額を出しているのは、同じ状況の人に先に確認してほしいからです。
- デザインスクールは誰にでも勧められますか。
-
勧めません。自分の場合はWeb制作が本業だったので、学んだものがそのまま仕事につながりました。まったく別の仕事をしている人が同じ結果になるとは限りません。判断の材料として、卒業生の制作物が外に出ているかと、途中でやめたときにいくら戻るかは先に確認してください。
- リスキリング補助金は、いまも使えますか。
-
制度は変わります。この記事は2026年8月29日時点で確認したものです。申し込みの前に、必ず公式サイトと補助事業者に確認してください。中身は別記事にまとめています。
- せどりはもう稼げないと聞きますが。
-
自分がやっていた時期の実績として月10〜20万円と書いています。いまの相場や規約でも同じ数字になるかは確認していません。金額よりも、自分の持っているものが使えるかどうかで判断したほうがいいと思っています。
- 副業の利益が出たら、いくらから確定申告が要りますか。
-
20万円という数字がよく出てきますが、これは所得の額です。売上で数えると判定を間違えます。経費を引いたあとの金額で見てください。別記事で国税庁の案内を確認しながら整理しています。
まとめ
- 試したのは5つ。失った240万円は全部FXで、スクールに40万円、独学で200万円
- 目的はお金を増やすことで、トレードは手段の一つでした。負けを取り返そうとして、勝つことのほうが目的になっていました
- 取り返したのは株の200万円。変えたのは、始める前に調べたことだけ
- せどりが立ち上がったのは、買取業界の相場感が使えたから。副業の中身が優れていたわけではありません
- 同じ40万円でも、教える人の実績を外から確認できたか、身につくものに外の評価基準があるかで結果が分かれました
- 途中でやめたときの返金には法律の上限があります。ただし副業・独立が目的だと、その保護から外れる可能性があります
うまくいった話だけを並べても、判断の役に立ちません。失った額を書いているのはそのためです。
この記事で確認した出典
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供」(指定7役務・期間と金額の要件・クーリング・オフ8日・中途解約時の上限額・適用除外) 2026年8月29日確認
- 消費者ホットライン 188(いやや)/全国の消費生活センター
- 経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」2026年8月26日確認(別記事で詳述)
制度は変わります。この記事は上の日付時点で確認したものです。高額な契約の前には、必ず公式の案内と消費生活センターにご確認ください。相場の話に、結果の保証はありません。記載しているのはすべて自分の実績です。
